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-東京の鰻屋- |
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Tさんの「鰻」食べ歩のレポートです
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「うなぎ大好き」をご覧頂いていたTさんが東京の鰻屋いついて纏めたレポートです。
Tさんのご許可を頂き、公開致します。 なお、このレポートは2002年1月に書かれたもので、情報は当時のものです。 |
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| T.はじめに 私は転勤族として北海道から九州まで日本全国を転々としたが、地方の味は概して甘めである。蒲焼きのタレ、蕎麦つゆ、天つゆ等、東京のキリッとした辛口系の味で育った私の舌は、地方のものよりどうしても東京の味に惹かれるのである。 さて、鰻のポイントは「一貫作業」である。関東の鰻は 割く・蒸す・焼くの三工程を経てようやく蒲焼きとなるが、途中で、例えば「割き」や「蒸し」までを済ませて昼食時のピーク等に備えてストックをしておくと、鰻の皮が固くなってしまう。従って、良心的な店は客が注文してから鰻を割き始めるので、少なくとも40分は待たされることになる。サラリーマンが昼休みに寄るというのは、なかなか時間的にも難しいと言うのが本来の鰻屋なのである。 今回、紹介しようと思う東京の鰻屋の中で、少なくとも今でもそれを忠実に守っている店は、下記ベストテンの中では「安斎」「石ばし」「尾花」「小満津」「田川」「野田岩」の6軒である。 |
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| U.蘊 蓄 1. 鰻の割き方と調理法 鰻の割き方は関東は「背割き」、関西は「腹割き」と方法が異なる。よく聞く「武士の町江戸では切腹を嫌って「背割き」にした…」という話は、話としては面白いがこれはどうも違うらしい 。 関東産の鰻は水温が低いため関西産よりも脂が乗っているので、脂を落とす目的で関西にはない「蒸し」という工程が入った。素焼きにした鰻を蒸籠で蒸し、蒸した鰻を再度炭火で焼くには鰻を移動させなければならない。その際、鰻を串打ちして串を持って移動させて蒸すのが効率的である。その串を打つ場合、「腹割き」だと身の薄い腹の部分から刺さなければならず、串が打ちにくい。そのために「背割き」にしたというのが、どうも本当のところだと思われる。 2. 蒲焼きの置き方 蒲焼きでも鰻重でも、客の前に出す場合は鰻の頭の方を客の左側、尻尾の方を右側にして、手前側に上半身、遠い方に下半身を置くのが定番となっている。 これは、鰻の中で最も脂の少ない尻尾の部分を最後に食べてサッパリして貰おうという、店の配慮である。 ところが最近は、鰻をたっぷり敷き詰めてお金を取るために横長の重に縦に蒲焼きを並べる店が多くなって来た。(別に構わないと言えば構わないのだが…。) 3. 山椒のかけ方 食べる前に先ず山椒の容器を手に持ってパッパッと蒲焼きに振りかける客が多いが、重手前の蒲焼きの胴の部分は何もかけないでそのまま食べ、向こう側の尻尾の部分に箸をかける時になってから山椒を少しかける。 食事後半の香りに変化を持たせるというのが山椒の本来の目的である。鰻屋の香の物にある奈良漬にしても口元に変化を持たせるためにある。従って奈良漬の出ない鰻屋はコストを重視し過ぎている。 4. タレの問題 鰻の銘店では御飯にかけるタレの量は、多過ぎず少な過ぎず実に見事な「案配」となっている。ところが、タレのかけ過ぎで重の御飯がタレの中で泳いでいる店が意外と多いのである。ビタビタになった御飯を残したままにして重をテーブルに置くのは悲しい。 勿論、程度の問題はあるが、タレが多くかかっていて御飯が真っ茶色になっている店は、もうそれだけで「問題外の外」と判断しても構わないと思われる。 本来、鰻重・鰻丼はアツアツの御飯の上にふっくらした鰻を載せる…、その絶妙なバランスが基本の料理である。タレがかかっていれば良いというものではない。 5. 鰻に琴は合うか? 郊外に新しく出来た鰻屋などに多いのであるが、店内のBGMとして琴の音楽を流している店がある。和風を強調しようとしているのかどうか分からないが、どうも違和感がある。鰻屋に琴の曲はいらないと思うが、如何であろうか? 6. 鰻は多ければ良いのか? 最近、蒲焼きを多く食べたいという客と、その要望に応えようとする店側の対応から高価な鰻重が出て来た。私も蒲焼きは沢山食べたいという気持を人一倍持っている方であるが、一つはバランス面、もう一つは食味という点で、この動きには疑問を持つ。 例えば「中入れ」「二段」などの呼び方があるが、鰻・御飯・鰻・御飯と御飯の中に鰻が入っているもの。これはなぜか皆、一番下の御飯がタレでビタビタになっているものが多く、感心しない。 それから普通の鰻重の上に蒲焼きだけ入った重を乗せた店もある。要するに鰻重プラス蒲焼きというわけであるが、何もそんなに鰻を食べなくても好いではないかという感じがある。 更に神田の「きくかわ」のように一匹分の長い蒲焼きを御飯の上に載せ、重からはみ出た蒲焼きを逆に折り曲げたものがある。しかし、これは折り曲げた尻尾の部分は鰻の皮が表に出るため、見た目が綺麗でない。 結局は鰻と御飯との量のバランスの面から考えても、いずれも良いとは思えないのであるが…。 |
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| V.私の東京の鰻屋ベストテン 下記は私が私の好みで選んだベストテンである。但し、30年間地方都市勤務の私が東京出張の度に足で歩いた店であるから、勿論、東京中を全て網羅しているわけではない。また高級鰻料亭として名高い赤坂「重箱」や永田町「山の茶屋」にも行ったことはない。従って飽くまで参考として見て欲しい。 その私の鰻(鰻重)に対するこだわりは、下記の6点が基本となっている。 |
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@鰻自身の脂の乗りと川魚の味がシッカリ味わえること。
A口に入れるとふっくらとして柔らかいこと。 B蒲焼きは見た目に焦げ目がなく姿が美しいこと。 Cタレは甘過ぎず掛け過ぎていないこと。 D御飯は炊きたてでアツアツなこと。 E店内は清潔で小綺麗なこと。 |
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| 店の応対については、特別に何かがなければ可とすることにした。それから「接待」に向いているかどうかは考えに入れていない。
「接待」する側つまり金を払う側は、殆どが営業活動費として会社に請求書を廻す。そのような客は目的が接待なので、店そのものを見る目が甘い。自腹を切る客は店に対する要求がシビアである。 日本の飲食店のレベルが下がったのは、店を支える客の質そのものが落ちたせいもあるが、接待の客が多くなったのも一因だと思う。 |
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